春の暖かな日差しが降り注ぐ小百合の家の庭では、家の飼い犬、モモはいつものように元気よく庭を駆け回っていた。モモは家族にとってただのペットではなく、家の一員だ。その日、小百合はモモが庭の隅で何かを丁寧に舐めているのに気づいた。
「モモ、何してるの？」小百合が声をかけると、モモは一瞬顔を上げ、尻尾を振りながら小百合のほうへと近づいてきた。しかし、すぐにまた庭の隅に目を向け、小百合には見せたくないかのように体を隠した。近づいてみると、そこには小さな子猫がいた。子猫はまだ目も開いておらず、毛布にくるまれて温かく保たれていた。
「あら、こんなところに子猫が！」小百合は驚きながらも、子猫を優しく抱き上げた。「モモ、君がこの子を見つけてきたのね。よくやったね」モモは小百合が子猫を世話する様子を嬉しそうに見守った。
小百合は子猫にミルクを与え、暖かい場所に寝床を作ってやった。その間、モモはじっと子猫のそばを離れず、時折、小百合に助けを求めるような視線を送った。「モモ、心配しなくても大丈夫。一緒にこの子を育てようね」モモは小百合の言葉に応えるかのように、穏やかに子猫の頭を舐めた。
日々が経つにつれ、モモと子猫の絆は深まり、二匹は切っても切れない関係になった。子猫が元気に遊び始めると、モモはそれを優しく見守り、時には一緒にじゃれあった。「モモ、君も子猫も元気でいてくれてありがとう」と小百合が二匹に話しかけると、モモは嬉しそうに尻尾を振り、子猫もそれに応えるように鳴いた。
モモと子猫の交流は、小百合にとっても新たな幸せをもたらし、家族の絆を一層深めたのだった。
