夕焼けの柔らかな光が小道を照らし、古い石造りの教会に蔦が絡みついていた。静寂の中、石の壁にもたれかかる一人の少年がいた。彼の目は遠くの地平線に沈む太陽を追っていたが、心ははるか彼方、過去へと旅をしていた。
それは彼、アルフレッドが祖母と毎週日曜日、手を取り合って教会へと通っていた日々の思い出だった。
協会の庭にはよく鳥が訪れており、鳥の好きな祖母はいつも鳥たちを穏やかな目で見守っていた。彼女はアルフレッドによく言っていた。「青い鳥は幸せを運ぶのよ。いつかあなたのもとにも、きっと幸せが訪れるわ」その言葉が今でもアルフレッドの心の中で響いている。
今、アルフレッドの前に現れた青い鳥は彼を見上げている。鳥は彼の静かな悲しみを察したかのように、優しくさえずり始めた。アルフレッドはその小さな生き物に微笑みかけた。
「お祖母さん、あなたがいなくなって初めて教会に来ました。ここは変わらず、美しいままです」
太陽が地平線に溶け込むと、空はオレンジ色から深い紫へと変わり、教会のシルエットがはっきりと浮かび上がる。アルフレッドは小道を歩みながら、祖母が残してくれた無数の思い出を胸に新たな一歩を踏み出した。彼は知っている。別れは終わりではなく、記憶の中で愛する人々は永遠に生き続けると。青い鳥が飛び立つと、彼はそっと微笑んだ。祖母の言葉が今、彼に幸せを運んでいるのだ。
そして、アルフレッドは夕日に照らされる教会を背に、祖母から受け継いだ希望を抱きながら、未来への道を歩き始めた。
