夜の帳が静かに下り、コテージの灯りだけがほのかに周囲を照らしていた。リオとルナは庭の中央に座り、無数の星が瞬く空を見上げていた。リオは元気で好奇心旺盛なテリア、ルナは穏やかで優しいゴールデンレトリバーだった。
コテージの窓からは、暖炉の火がちらちらと揺れ、微かな木のくずれる音が聞こえてきた。リオは突然、「ルナ、見て！流れ星だよ。願い事をするんだ！」と興奮して叫んだ。リオのいう通り、一つの星が尾を引いて流れてゆく。ルナは目を閉じて、リオの願いが叶うように、と自分の願いを星に託した。それから優しい目でリオを見つめ返し、しっぽをゆっくりと振りながら「あなたは何を願った？」と尋ねた。
リオの目はキラキラと輝いて、「ぼくはね、いつまでも君と一緒にいられますようにって願ったんだ」と、無邪気に笑った。ルナはその言葉に心からの喜びを感じながらも、ただ静かに頷いた。
そこには人間の言葉はなく、ただ二匹の絆が深まる一瞬があった。風が葉を揺らし、シャラシャラという音が空気をつつみ、リオとルナの周りの花々がふわりと香った。夜空は無限に広がり、月が煌びやかに輝き、星々がきらめいていた。
流れ星がまた一つ、夜の帳を切り裂いていった。リオが小さく「見たかい？」とルナに尋ねると、ルナは優しく「うん」と答え、二匹はただ、その美しい瞬間を共有していた。
星々が彼らの願いを聞き届け、その絆を永遠に繋ぎ止めるように見守り続けていた。静かな夜風が二匹を優しく包み込みながら、彼らの小さな物語は星の光に照らされていた。
